アダムとエバが「エデンの園」を放逐されてから、天界で行われた会話の物語。
御使いA: 「さあ、ルシファーが図った通り、アダムとエバは罪を犯した。これで思う存分、我々が望む世界に変えられるぞ。まずは人間を男と女に分けよう。彼らは永遠に分かり合えないが、互いに惹かれざるを得ない。ルシファーが望んだ矛盾と葛藤のある世界だ。」
御使いC: 「早速、彼らの体を弄って、生殖器を作ろう。」
御使いB: 「人間どもの股間に出来た生殖器を見よ! 何と醜いことか。男も女も毎日、股間から便を垂らしている。おまけに女性は股間から血も流しているぞ。汚いが滑稽ではあるな。」
一同苦笑。
御使いB: 「見ろ、奴らが性交を始めたぞ。あの美しいエバが、よだれを垂らしながら腰を振っている。これは笑えるな。」
一同爆笑。
御使いB: 「これがルシファーの望んだ、美しいものと醜いものが共存する世界なのか。」
御使いA: 「さあ、次にこの物理世界を徐々に崩壊するものとしよう! これは大がかりだぞ。物質は全て崩壊する様に物理法則を作り直そう。人間やその他の生き物はもちろん、あらゆる物が、風化し衰え、形を崩して消えていくのだ。」
御使いC: 「昆虫や細菌を創造しよう! 排泄物や死体等、あらゆる穢れたものの後始末をする生き物だ。また同時にあらゆる病の原因ともなる。この世に、病と災い、痛みと苦しみがもたらされるように!」
一同、期待に胸を膨らませる。
御使いA: 「お前たち、勘違いをしてはならないぞ。ルシファーがこの世界に矛盾をもたらせているのは、人間を苦しめるだけではない。人間があらゆる醜いものや悪を追放し、最終的には善が勝利するという壮大なゲームをこれから始めるのだ。」
一同、大いに首肯する。